
臨済宗妙心寺派の大本山・妙心寺。
建武4年(1337)に花園法皇が自らの離宮を禅刹に改め、無相大師を開山として創建されました。現在、広大な山内には46の塔頭寺院が点在し、禅寺では日本最大の規模を誇っています。
妙心寺御用達として阿じろが創業したのは、昭和37年(1962)。社名は雲水さんのかぶるあじろ笠より借用しました。創業者・妹尾吉隆は、妙心寺の庫裡(くり/台所)でひたすら料理修業し、料理の心得と儀礼、調理法を習得しました。長らくは店を構えず、妙心寺で法要の精進料理を調製する料理方を務めます。
精進料理とは、魚や肉を一切使わずに調理された食事のこと。「精進」の言葉には仏道修行に専念するという意味があり、禅にとって料理することは大切な修行のひとつです。阿じろが考える精進料理の眼目は、「1.旬の食材を使うこと、2.材料を生かしきること、3.念をいれること」。阿じろの料理人もお寺で修行されている雲水さんに負けないように精進していく心構えです。
阿じろは今も妙心寺の御用を第一としておりますが、「精進料理を気軽に味わいたい」というお客様のご要望から、妙心寺の門前に本店と本山店(別館)を開店しました。
伝統の精進料理を基本とした華やかな会席風精進料理を味わっていただけます。
もちろん、肉や魚などの生臭物は一切使いません。おだしに上質の昆布やどんこ椎茸、干瓢、煎り大豆を用いることで深い風味を醸し出しています。
精進料理の基本は「五味・五法・五色」であるといわれ、阿じろでは5つの味覚と5つの調理法、5つの色合いを組み合わせて多彩な料理に仕上げています。旬の食材を生かした“精進の心”をぜひ味わってみてください。

会長・妹尾吉隆(左)、
社長・妹尾吉規(右)本店前にて
縁あって臨済宗大本山妙心寺の料理方を仰せつかって四十有余年が経過しました。全国に三千五百箇寺の末寺を有する大本山だけに、
色々な年中行事を始め晋山式や開堂入祖等々の儀式や法要が行なわれ、そのたび毎に参列の団信徒様に赤膳の精進料理が振舞われ、その料理一式を調理するわけであります。
それ以外にも地方の末寺、寺院よりの注文により北は仙台、秋田、南は四国、九州方面にも出張を致します。
そうして、そのたびに必ず御佛餉(おぶっしょ)と言って本尊様に当日出斉の料理をお供へして、生きて居られる方にするように法要がとり行なわれます。
式後参拝の方々に同じ料理が振舞われます。まさに精進料理は本尊様にお相伴(しょうばん)させて頂く料理だと言えます。
最近は核家族になり佛壇をおまつりする家庭が少なくなりました。それと共に手を合わせて祈る場所がなく感謝の心も失われ、さまざまな悲劇が日常茶飯事の如く発生して居ります。
戦前は各家庭に於いても今日はおじいさん又はおばあさんの命日だと言って精進料理を作ってお供へし、家族もそれを頂いて亡き人を偲んだものです。
そういう風習を復活させて、そこから先祖様との縁を大切にする思いが出来ればと、さまざまな機会をとらえて阿じろの悲願として訴え続けて居ります。
会長 妹尾吉隆